royale with cheese

時代に置いてかれたお土産ディガー

The Neon Demon

 

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ニコラス・ウィンディング・レフンについて、僕は御多分に漏れず『Drive』で知りました。公開直後、当時の同居人から猛烈にプッシュされ、どれ観てやるかと劇場に向かいまんまとドハマりしたクチでございます。

 

記憶ではドライヴがレフン作品の中で日本初公開だったので、そこからDVDやユーロスペースで開催していた北欧映画祭にて過去作を遡り大体の作品は観たかなと思います。

個人的にはプッシャー三部作、ブロンソン、ブリーダー等熱量の差はありますが基本どれも肯定派です。いや『Fear X』は眠かったか。。

どれくらい好きかというと結婚式の新郎新婦退場後のエンドロールでA Real Heroを流したいと提案する程、寡黙な男の後ろ姿に痺れたもんです。

 

 

そんな任侠スタイルど直球映画からOnly God Forgivesを経て、公開された情報とトレーラーを見て「おぉ…なんか楳図っぽい!」と一人盛り上がっていたわけですが。予想通り、いや予想を超えて大満足な映画でした。

 

モデルを夢見て田舎から出てくるエルファニング、やがて(生まれつきか?)自分の美の才能に気づいていきトップモデル街道を突き進むが…という話ですが、取り巻くベラ・ヒースコートアビー・リー・カーショウがとにかく良い。食うか食われるかの厳しい世界を生きるモデルとしての実在感に加え表情、声、整形マシーンっぷりを体現したような走る時の姿勢の良さとか最高。

上り詰める執念なんかはブラックスワンを連想したが、「悪いけどあなたに人生なんてないのよ…」なんてセリフがあっても違和感ないくらい、若さと美への固執はやはり楳図イズムを感じずにはいられない。ベラヒースコートが吐き出すシーンに「ペツャッ」っと擬音が付いてんじゃないかなんてね。

 

音楽もいかにもレフンなコントラスト強めのスタイリッシュな映像にばっちりだと思います。ドライヴみたいなアナログシンセサウンドじゃちょっと違う。

 

割と瞬きせずに目ギンギンで見ていましたが笑えるシーンもしっかりあります。カリスマスタイリストの唾ゴックンギャグ、あれ超好き。

 

 

そんなこんなで賛否両論あるのか知りやせんが、新作が出たらチェックすべき監督なのは間違いないと思います。

 

 

 

ちなみに先述のエンドロールの件はやんわりと却下、でございました。

 

おわり